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Vol.14 小諸の野菜と“農”の魅力を全国へ、若い世代へと発信

ものづくりの背景には、作り手の感性や技術とともに、産地へのこだわりやリスペクトの想いがあります。さまざまな分野で活躍する方々に輝きの秘密をうかがいながら、サザンアフリカのダイヤモンド鉱山で採掘された原石がダイヤモンドジュエリーとなるまでの確かなプロヴェナンス(来歴)とトレーサビリティ(生産履歴)を誇るSABIRTHとの共通項を探ります。

 

【Vol.14 武藤 千春さん/タレント・実業家・ファッションブランド「BLIXZY」、農ライフブランド「ASAMAYA」プロデューサー】

エンタメ の世界からファッション、そして農ライフへ

東京から新幹線としなの鉄道を乗り継いで約2時間。長野県小諸市の畑で野菜や米、ワイン用のぶどうの栽培などに取り組んでいる、武藤千春さん。
「子どもの頃は植物の栽培に全く興味がなかったですし、野菜の名前すら、よく知りませんでした。夢中になっていたのは歌とダンス。中学3年生でオーディションを受け、ダンス&ボーカルユニットとしてデビューしました」。

3万人の応募者から選ばれて参加したグループは国民的な人気を得て、紅白歌合戦にも出場。しかし武藤さんは人気絶頂の中、2014年にグループを卒業し、海外留学という道を選びます。
「一つのことを突き詰めていくのも素敵なことですが、アルバイトすら社会経験のないままエンターテインメントの世界に入ってしまったので、新たな環境で自分自身を成長させ、可能性を広げたいと思ったのです」。

帰国後に立ち上げたのは、ファッションブランドでした。
「グループで活動していた頃に、応援してくださっていた方たちが、私の私服に興味を持ってくださることがよくありました。歌とダンス以外に服でも発信でき、繋がることができるというのが嬉しくて、“女の子が発信するメンズファッション”というコンセプトで「BLIXZY(ブライジー)」をスタートさせました」
技術もコネクションもないまま、ネットで検索した縫製工場に見積もりを依頼しサンプルを作成してもらうことから始まったブランドは少しずつファンを増やし、軌道に乗って行きました。

二拠点生活の場として選んだ小諸での “農ライフ”

そんな武藤千春さんが長野県小諸市と出会ったのは2019年のことでした。
「祖母が老後を小諸で暮らしたいと言うので、ついて行ったのがきっかけです。以前から二拠点生活には興味があったので、東京からのほど良い距離感が気に入り、最初は、仕事は東京で、休日は小諸で、という気持ちで二拠点生活を始めたんです」。

しかし小諸に居を構えて間もなくコロナ禍が世界を襲い、状況は一変しました。
「小諸の家に籠もっていてもコミュニュティに属しているわけではないので人と関わる機会がなく、1年半くらい知り合いも友達もできない日々が続きました。そんな中で唯一繋がっていたのが隣町の佐久で農業をやっている遠い親戚のおじいさん。もともとは先祖のルーツを調べていく中でお話を聞きに伺うようになったんですが、畑で“これは何?”“何の作業をしているの?”と質問するうちに、後継者や耕作放棄地のことなど農業のリアルな課題も知り、だったら私もやってみよう!と思うようになりました」。

20坪の小さな畑からスタートした野菜づくり。
「自然が相手だと自分の力ではどうにもならないことがたくさんありますが、逆にそれが新鮮。季節の移り変わりを細かく感じて自然に寄り添う暮らしを面白いと感じて楽しんでいます」。

小諸での野菜づくりを、武藤さんは“農業”ではなく“農ライフ”と呼んでいます。
「一つの野菜を大量に作って卸すビジネスを確立できているプロの農家さん以外にも、兼業だったり、仕事ではなく自分が食べるために育てていたり、“農”には色々な形があると思うんです。私自身は飽きっぽいので色々な野菜を少しづつ育てて楽しみたい。そこで“農ライフ”という言葉を掲げて活動するようになりました」

 

ダイヤモンドも野菜も、選択に責任を持つことが大切

現在では小諸周辺で出会った野菜や果物、ジュースなどの加工品を全国に宅配する「ASAMAYA」という農ライフブランドのプロデュース・運営も行っている武藤千春さん。

小諸は晴天率が高く、昼夜の寒暖差があるので甘みや旨味がギュッと詰まった農産物を生産できます。農家さんが作って終わりではなく、その先の消費者と繋がるお手伝いができたらと思って、自分で育てた野菜以外もジュースなどの加工品も含めて販売しています」

武藤さんが小諸の畑から消費者の食卓に届くまでのルートを拓き活動するように、サバースもまた、サザンアフリカで採掘されたダイヤモンド原石が研磨され、ジュエリーに仕立てられお客様のもとに届くまでのプロヴェナンス(来歴)とトレーサビリティ(生産履歴)を大切にしています。

私は畑で作業する時も、メイクやネイルばっちりで、お気に入りのジュエリーもいつもつけています。それは誰かに見せたいというよりも自分のテンションを上げるため。高価なダイヤモンドはまだ憧れの段階ですが、自分のライフステージが上がる中で良いものを少しずつ手に入れられたらいいですね

昨年の春からは、ワインのためのぶどうの栽培もスタート。
「標高の高い小諸でぶどうの栽培なんて、少し前までは信州でパイナップルを作るくらいあり得ないことだったそうです。それが温暖化とともに長野全体でワイン用のぶどうの生産が活発になってきました。浅間山の麓はフランスのワイン生産地と地形も似ているそうで、ワインのシーンも盛り上げられたらと思っています」

野菜を生産して終わりではなく、最終的に手にする人たちの“体験”へと繋げていきたいと武藤さんは語ります。「ジュエリーも同じかもしれませんが、誰がどこでどう作ったかを知ることで、手にする喜びは増すと思うんです。実際に食べてもらう、時には畑に遊びに来てもらう、そんな体験の提供も含めてこれからも“農ライフ”を発信していきたいと思っています」。

アフリカ大陸南端に位置する「希望峰」。未開の地をGOOD HOPEと名付けたように、身につける人の未来を輝かせるコレクション。

ブレスレット/ORANGE RIVER〈Pt×ダイヤモンド〉¥3,630,000
ペンダント/GOOD HOPE〈Pt×ダイヤモンド〉¥5,500,000
ピアス/GOOD HOPE〈Pt×ダイヤモンド〉¥1,760,000

【PROFILE】
武藤千春/CHIHARU MUTO

1995年生まれ。東京都出身。ダンス&ボーカルユニットで活動後、2015年にユニセックスストリートブランド「BLIXZY」を設立。プロデュース、企画・デザイン・PR・モデルなどをマルチに行う。2019年より東京と長野県小諸市との二拠点生活を始め、2021年に農ライフブランド「ASAMAYA」を立ち上げ、2022年、小諸市農ライフアンバサダーに就任。ラジオDJやタレント、“CHIHARU”名義での音楽活動も行う。

https://www.instagram.com/iamchiharumuto/